こんにちは、自宅保育.comの管理人です。
保育園の希望順位を決めるいちばんのコツは、「本当に通わせたい順」に並べたうえで、実際に通える園を必要な数だけ書いておくこと。そのうえで、お住まいの自治体が希望順位を選考にどう使うのかを、必ず確かめておくことです。
「人気の園を第1希望にすると落ちるのでは」「入りやすい園を上に書いたほうが得なのでは」と、駆け引きのように考えてしまう方は多いのではないでしょうか。ところが、希望順位の扱いは自治体によって違い、まったく影響しない自治体もあれば、同じ点数のときだけ第1希望を優先する自治体もあります。
この記事では、選考の方法を公開している自治体の公式ページを読み比べて、希望順位の仕組みと、迷わず決めるための手順をまとめました。
この記事のポイント
- 選考は多くの自治体で点数の高い順に、希望する園の空きと照らし合わせて決まる
- 希望順位が影響しない自治体と、同点のときに第1希望を優先する自治体がある
- 本命を第1希望にし、通える園を織り交ぜて書くのが基本
- 育休延長を考える人は、申し込み方のルールにも注意が必要
保育園の希望順位で知っておきたい選考のコツ
まずは、保育園の選考(利用調整)で希望順位がどう使われるのかを見ていきましょう。ここを知っておくと、「どこを第1希望にすると損か」という迷いがかなり減るはず。
選考は点数と空きの照らし合わせ
認可保育園の選考は、多くの自治体で、保育の必要性を点数にした「指数」をもとに行われているんです。
たとえば埼玉県所沢市は、選考の流れを次のように説明しています。指数の合計点が高い子どもから順に、申請書で希望した園の空きを確かめ、第1希望に空きがなければ第2希望、その次は第3希望と見ていく。空きがあって内定となったら、次に指数が高い子どもの希望する園を確かめる、という順番です。
この仕組みでは、点数が高い人の希望が先に決まっていき、希望順位はその人の中での「確かめる順番」として使われます。つまり、自分より点数が高い人が多く希望している園ほど、空きが埋まりやすいということ。
なお所沢市は、希望順位がより高い施設に空きがあっても、きょうだいと同じ園への入園を優先する申請をしている場合などは、希望順位が低い施設に内定することがある、とも書いています。希望順位だけでなく、申込書のほかの選択も結果に関わるわけです。
点数の基本は、保活の“点数”って何?認可保育園の選考基準で解説しています。まだ自分の点数を計算していない方は、先に確かめておくと希望順位も決めやすくなるはずです。
希望順位が影響しない自治体
希望順位がまったく選考に影響しないと明記している自治体もあります。
東京都北区の案内には、入園できる数より申し込みが多い場合は保育指数の高い順に利用調整を行うこと、抽選や先着順ではないこと、そして希望順位は利用調整に影響しないので、本当に通いたい保育園から順番に希望してほしいことが書かれていました。
こうした自治体では、「入りやすそうな園を第1希望にしておこう」と順番を入れ替えても、有利にはなりません。むしろ、本当は第2希望の園に入りたかったのに、第1希望に書いた園で内定が出てしまう、ということが起こりえます。
順番の駆け引きを考えるより、家族で話し合って「通わせたい順」をそのまま書くほうが、あとで後悔しにくい書き方です。
同じ点数なら第1希望が先の自治体
一方で、点数が同じときには希望順位を使う自治体も見つかりました。
東京都八王子市の利用調整の説明では、「20点・第2希望」の世帯と「18点・第1希望」の世帯なら、指数が高い「20点・第2希望」の世帯が優先されると書かれています。そのうえで、同じ20点どうしなら、第1希望の世帯が優先される例が示されていました。(出典:八王子市「保育所等利用調整について」)
さらに八王子市では、認定こども園の3歳クラス以上の利用調整について、指数に関わらず第1希望としている人から優先して決める、という決まりもあります。同じ市の中でも、施設の種類やクラスによって扱いが変わることがあるわけです。
このように、点数が先、希望順位はそのあとという順番が基本の自治体が多いものの、細かいルールは本当にさまざま。必ずお住まいの自治体の「利用調整の基準」や「入園のしおり」を読んでおきましょう。八王子市の案内にも、利用調整の指数などは毎年見直されるので、入園を希望する年度のものを確かめるように書かれていました。
第1希望に落ちると不利になる?
「第1希望に落ちたら、第2希望では後回しにされるのでは」という心配もあるかもしれません。
所沢市の説明のように、点数の高い人から順に第1希望、第2希望と空きを確かめていく仕組みなら、第1希望に空きがなくても、自分の第2希望の空きは、自分より点数の低い人より先に確かめられる、ということになります。この形の自治体では、第1希望に人気園を書いたことで、第2希望が不利になるわけではありません。
ただし、八王子市のように同じ点数のときに第1希望の人を優先する自治体では、同点の人が多い園だと、その園を第1希望にしている人が先に決まります。自分の点数が多くの家庭と同じになりやすい場合は、この点も考えて順番を決めるとよいでしょう。
育休延長を考える人の注意点
育休中に申し込む人は、希望順位の書き方にも気をつけたい点があります。
厚生労働省によると、2025年4月から、保育園に入れなかったことを理由に育児休業給付金を延長する手続きが変わりました。延長には、速やかな職場復帰のために申し込んだと認められることが必要で、次のような場合は要件を満たさないと案内されています。(出典:厚生労働省リーフレット)
- 合理的な理由なく、自宅から片道30分以上かかる施設だけを申し込んでいる
- 入所保留となることを希望する意思表示をしている
- やむを得ない理由なく、内定を辞退している
延長の手続きでは、申し込んだときの申込書の写しも必要になります。また、原則として子どもが1歳に達する日の翌日以前の日を入所希望日として申し込んでいることも、要件の1つです。「わざと入れない園だけを書く」ような希望順位の付け方は、給付金の延長が認められない原因になるので注意しましょう。
保育園の希望順位を決める手順とコツ
選考の仕組みが分かったら、実際に希望順位を決めていきます。ここでは、家族で話し合いながら進められる手順にまとめました。
通える範囲と条件を先に決める
最初にやりたいのは、園を比べる前に「通える条件」を決めることです。
- 自宅から送り迎えにかけられる時間(何分まで)
- 朝の送りと夕方のお迎えの担当(父・母・祖父母など)
- 勤務時間に合わせた、保育が必要な時間帯
- 土曜日の保育が必要かどうか
この条件に合わない園は、どれだけ評判がよくても毎日通い続けるのが大変です。最初に条件で候補をしぼると、比べる園の数が減って決めやすくなるでしょう。
育休延長の可能性がある方は、先ほどの厚生労働省のルールにあるように、自宅から片道30分以上かかる施設だけにならないよう、この段階で候補の通所時間を書き出しておくと安心です。
保活全体の進め方は、保活の年間スケジュールとやることリストでも確かめられるので、あわせて見ておいてください。
本命は迷わず第1希望に書く
候補がしぼれたら、その中で「いちばん通わせたい園」を第1希望にしましょう。
希望順位が選考に影響しない自治体なら、順番を入れ替える意味はありません。同点のときに第1希望を優先する自治体なら、本命を第1希望に書くことが、そのままその園に入れる可能性を少しでも上げることにつながります。どちらの場合も、本命を第1希望に書かない理由は見当たりません。
見学のときに感じたことや、送り迎えのしやすさを思い出しながら、家族で「ここなら毎日通わせたい」と思える園を選んでみてください。見学のチェック項目は保育園見学の完全マニュアルにまとめています。
◆管理人のワンポイントアドバイス
夫婦で第1希望が割れたときは、それぞれが「送り迎えを担当する日」を想像してみると決めやすいですよ。毎日通う人の負担が少ない園を上にするのも、立派な決め方だと思います。
入りやすい園も織り交ぜる
第1希望、第2希望と人気の園だけを並べると、どの園も自分より点数の高い人で埋まってしまい、全部に入れない「保留」になってしまうことも。
そこで考えたいのが、通える条件に合う園の中に、新設の園や定員の多い園、小規模保育事業所など、比較的空きが出やすい園も入れておく方法です。お住まいの自治体のホームページで、各園の空き状況や過去の選考の情報が出ていないかを確かめてみるのもよいでしょう。
たとえば、第1希望に本命の人気園、第2希望に通勤経路にある園、第3希望に家から少し遠いけれど定員の多い園、第4希望に小規模保育事業所、というように並べる形。上から順に「通わせたい気持ち」が高く、下にいくほど「入れる可能性」も考えた園になっている、という並べ方です。小規模保育事業所は2歳児クラスまでの施設が多いので、3歳以降の行き先もあわせて調べておきましょう。
ただし、入りやすさだけで選んだ園に内定が出ても、通えなければ意味がありません。「この園に決まったら、ちゃんと通わせる」と思える園だけを書くのが大前提です。
何園書くかの考え方
何園まで書くかに決まった正解はなく、申込書の欄の数も自治体によって違います。東海村の申込書の記入例では、第11希望まで書ける欄がありました。目安にしたいのは、「内定が出たら実際に通わせる園」を、条件に合う分だけ書くことです。
書く園が増えるほど、どこかの園に入れる可能性は広がります。その一方で、遠い園や条件に合わない園まで並べると、内定が出たあとの毎日の送り迎えが大変になってしまうかもしれません。家族で「ここまでなら通える」という線を決めてから、その内側にある園を書いていきましょう。
欄を埋めるために通う気のない園まで書くと、その園で内定が出たときに困ってしまいます。育休延長を考えている場合は、やむを得ない理由のない内定辞退が延長の要件を満たさない原因になる、という点にも注意が必要です。
反対に、本命1園だけを書くと、その園がいっぱいだったときに保留になりやすくなります。保留になったときの動き方は、保育園に落ちたらどうする?保活リスタートの対策を読んでおくと、もしものときも落ち着いて動けます。
保育園の希望順位に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 第1希望に人気園を書くと落ちやすくなりますか?
A. 点数の高い人から順に希望の園を確かめる仕組みの自治体では、第1希望に人気園を書いても、第2希望以降が不利になるわけではありません。ただ、ルールは自治体ごとに違うので、利用調整の基準を確かめてください。
Q2. 第1希望だけ書くと有利になりますか?
A. 第1希望だけを書いても点数は上がりません。その園に空きがなければ保留になるので、通える園があるなら第2希望以降も書いておくほうが、入園できる可能性は広がります。
Q3. 申し込んだあとに希望順位は変えられますか?
A. 申し込んだあとに希望園を変えられるかどうかや、その期限は自治体によって違います。申込みのときに、変更の方法と締切を保育課に確かめておきましょう。
Q4. きょうだいで申し込むときの希望順位はどうすればいいですか?
A. 自治体によっては、きょうだいで同じ園を優先するかどうかを選ぶ欄が設けられています。所沢市では、同じ園を優先する条件を選ぶと、希望順位が下の園で内定するように調整されることもあると説明していました。
保育園の希望順位を決めるコツまとめ
保育園の希望順位を決めるコツは、本命を第1希望にして、実際に通える園を必要な数だけ書いておくことです。選考は多くの自治体で点数の高い順に希望の園の空きと照らし合わせて決まり、希望順位がまったく影響しない自治体もあれば、同じ点数のときだけ第1希望を優先する自治体もあります。
育休延長を考えている方は、片道30分以上の園だけを書かない、通う気のない園を書かないといった点にも気をつけましょう。まずはお住まいの自治体の「利用調整の基準」を開いて、希望順位がどう使われるのかを確かめるところから始めてみてください。
