「保育に欠ける」とは?保育を必要とするへの改正と違いを解説

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「保育に欠ける」とは、家庭で子どもを保育できない状態を指して、以前の保育園の入園基準で使われていた言葉です。

2015年(平成27年)4月に始まった「子ども・子育て支援新制度」で、この考え方は「保育を必要とする」に改められました。言葉が変わっただけでなく、パートタイムの就労や求職活動中の家庭も対象に広がっています。

この記事では、2つの言葉の違い、改正で何が変わったのか、いま申請するときに何を書けばいいのかを順番に整理します。

この記事でわかること

  • 「保育に欠ける」と「保育を必要とする」の違い
  • 2015年の改正で対象がどう広がったか
  • いまの「保育を必要とする事由」10項目
  • 申請書の「保育を必要とする理由」の書き方
目次

「保育に欠ける」とは?意味をひとことで

「保育に欠ける」は、保護者が働いている・病気であるなどの理由で、家庭の中で子どもの保育ができない状態を表す言葉でした。以前は、この状態にあると認められた子どもが認可保育所に入れる、という考え方で入園が決められていました。

なぜ「欠ける」という言葉だったのか

もともとは法律上の言い回しで、「家庭での保育が足りていない」ことを指していました。ただ、日常の言葉として読むと「親に何かが足りない」「子どもに問題がある」ように受け取られやすく、使われる場面によっては保護者が引っかかりを感じる表現でもありました。

いまは「保育を必要とする」が正式

現在の制度では、市町村が保護者の申請を受けて「保育の必要性」を認定する仕組みになっています。申請書の欄も「保育を必要とする理由」「保育の必要性の事由」といった書き方になっているのが一般的です。

いまでも「保育に欠ける」で検索する人が多いのは、古い資料や説明の中にこの言葉が残っているためと考えられます。意味としては、今の「保育を必要とする」とほぼ同じ場面を指していると覚えておけば困りません。

「保育を必要とする」への改正で変わったこと

2015年度の「子ども・子育て支援新制度」の開始にあわせて、「保育に欠ける」から「保育の必要な児童」へと考え方が変わりました。厚生労働省の資料では、このときの変化を「対象拡大」と説明しています。

対象が広がった3つのポイント

厚生労働省の資料に書かれている、新制度で対象になったものは次の3つです。

  • パートタイムなど、すべての就労が対象になった
    フルタイムだけでなく、パートタイムや夜間の仕事も含めて、基本的にすべての就労に対応するとされています(一時預かりで対応できる短い就労は除く)。
  • 求職活動中が対象になった
    仕事を探している期間も、保育の必要性の事由として認められるようになりました。起業の準備も含まれます。
  • 祖父母などが同居している場合も対象になった
    同居の家族がいても対象外にはならず、市町村が優先度を調整する形になっています。

関連サイト👉厚生労働省:待機児童の定義の変遷(PDF)

「区分」ができて利用時間が決まるように

新制度では、保育が必要かどうか(事由)に加えて、どれくらいの時間が必要か(区分)も認定されるようになりました。区分は次の2つです。

区分 利用できる時間の枠 想定されている就労
保育標準時間 1日最長11時間 主にフルタイム(1か月120時間程度)
保育短時間 1日最長8時間 主にパートタイム(1か月48〜64時間程度)

就労の下限時間は、国が示した「1か月48〜64時間」の範囲の中で、市町村ごとに決められています。お住まいの市区町村の募集案内で、何時間以上なら申請できるかを確認しておきましょう。

「保育を必要とする事由」は10項目

こども家庭庁の資料では、保育の必要性の事由として次の10項目が示されています。どれか1つに当てはまれば、認定の対象になります。

  • 就労(フルタイム・パートタイム・夜間など)
  • 妊娠・出産
  • 保護者の病気・障害
  • 同居または長期入院している家族の介護・看護
  • 災害の復旧
  • 求職活動(起業の準備を含む)
  • 就学(職業訓練校などでの職業訓練を含む)
  • 虐待やDVのおそれがあること
  • 育児休業中に、すでに保育園を利用している上の子の継続利用が必要なこと
  • その他、上記に近い状態として市町村が認める場合

関連サイト👉こども家庭庁:保育の必要性の認定・確認制度(PDF)

当てはまる事由ごとの例文ページ

申請書に書く内容は、どの事由に当てはまるかで変わります。当サイトでは事由ごとに例文をまとめています。

申請書の「保育を必要とする理由」の書き方

申請書の理由欄は、「誰が」「いつ」「なぜ」子どもを見られないのかが伝われば十分です。長い文章にする必要はありません。

書くときの3つのポイント

  • 事実を具体的に書く:勤務日数・勤務時間・通勤時間など、数字で書けるところは数字にする
  • 両親それぞれの状況を書く:どちらか一方だけでなく、保護者のいずれもが保育できないことを示す
  • 家族の手助けが得られない理由も添える:近くに頼れる家族がいない、祖父母も働いているなど

短い例文(欄が狭いとき)

  1. 共働き:「父母ともに平日9時〜18時の勤務のため、日中の保育ができません。」
  2. パート:「母は週4日・1日6時間のパート勤務、父はフルタイム勤務のため、日中の保育ができません。」
  3. 求職中:「再就職に向けて求職活動中で、面接や職業相談のため日中の保育ができません。」
  4. 妊娠・出産:「第二子の出産予定日が〇月で、産前産後の期間は上の子の保育が難しい状況です。」
  5. 介護:「同居する親の介護を日中に行っており、子どもの保育との両立が難しい状況です。」

長めの例文(欄が広いとき)

共働き家庭の場合
父は会社員として平日8時30分〜17時30分、母は〇〇として平日9時〜18時に勤務しています。通勤にそれぞれ40分ほどかかり、平日の日中に家庭で保育することができません。双方の実家が遠方のため、日常的に保育を頼める家族もいません。

求職中の場合
現在、〇月からの再就職を目指して求職活動をしています。ハローワークでの相談や面接で外出する機会が多く、子どもを連れての活動が難しい状況です。就職が決まり次第、就労証明書を提出します。

妊娠・出産の場合
第二子の出産予定日が〇月〇日です。医師から安静を指示されており、上の子の保育を続けることが難しいため、産前産後の期間の保育を希望します。

審査は「点数」で決まることが多い

認可保育園の入園は、多くの自治体で点数(指数)をもとに決められています。就労時間の長さや、ひとり親かどうかなどで点数がつき、点数の高い家庭から入園が決まっていく仕組みです。

点数の付け方は自治体によってまったく違います。兄弟が同じ園に通っている場合の加点なども自治体ごとに異なるため、必ずお住まいの市区町村の募集案内で確認しましょう。点数の考え方は 保活の「点数」の記事 でも紹介しています。

よくある疑問

「保育に欠ける」と書いても大丈夫?

申請書の欄に書かれている言葉に合わせるのが安心です。いまの申請書は「保育を必要とする理由」「保育の必要性」といった書き方が多いため、その言葉に合わせて書きましょう。

パートや在宅ワークでも申請できる?

できます。新制度では、パートタイムや夜間を含めて基本的にすべての就労が対象です。ただし、1か月の就労時間が市町村の決めた下限(48〜64時間の範囲)に届いている必要があります。在宅ワークの場合も、就労証明書などで勤務の実態を示すことが求められます。

祖父母と同居していても申請できる?

新制度では、祖父母などが同居している場合も対象になりました。ただし、同居の家族が保育できる場合は、市町村が優先度を調整することができるとされています。点数が下がる自治体もあるので、募集案内で確認しておきましょう。

在宅での就労を考えている方へ

保育園の申請をきっかけに、働き方を見直す方もいます。勤務先がまだ決まっていない方や、在宅で働ける仕事を探している方に向けて、当サイトではオンラインそろばん講師とそろばん先生になるための手順をまとめています。未経験から始められ、働く時間を自分で決めやすいのが特徴です。

「保育に欠ける」とは:まとめ

  • 「保育に欠ける」は、家庭で保育ができない状態を指す以前の言葉
  • 2015年度の子ども・子育て支援新制度で「保育を必要とする」に変わった
  • パートタイム・求職活動中・祖父母と同居の家庭も対象に広がった
  • 保育標準時間(最長11時間)と保育短時間(最長8時間)の2区分ができた
  • 就労の下限は1か月48〜64時間の範囲で市町村が決めている
  • 申請書は「誰が・いつ・なぜ見られないか」を数字で具体的に書く
  • 点数の付け方は自治体ごとに違うので、募集案内を必ず確認する

制度の名前が変わっても、「家庭の事情で日中に子どもを見られないときに保育を受けられる」という中身は同じです。いまの言葉で、家庭の状況をそのまま伝えれば大丈夫です。

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